ワイヤーハーネス

電線とハーネスの違いや関係性は?ワイヤーハーネス加工業者選定のポイント

この記事では、電線製造からハーネス加工までを国内自社工場で一貫して手がける東邦電線工業が、電線とハーネスの違いから、失敗しないワイヤーハーネス加工業者選びのポイントまでを解説します。

東邦電線工業株式会社の強み
・神奈川県横須賀市の自社工場による国内製造
・創業以来60年以上の実績と技術力
・一貫製造による柔軟な仕様対応
・自動化による安定品質と短納期実現
・小ロット試作から大量生産まで柔軟に対応可能

電線とワイヤーハーネスについて

電線とワイヤーハーネスの特徴や違いを整理して紹介します。

電線と取り違いやすいケーブルについても、あわせて解説します。

  • 電線:電気を通すための最も基本的な「素材
  • ケーブル:厳しい環境下でも使えるよう保護された「電線の束
  • ワイヤーハーネス:機器に接続できるよう加工された「製品(集合体)

これらを正しく理解することで、用途に適した部材を選定できます。それぞれの詳細を見ていきましょう。

電線とは

電線は、電気を流すための導体(銅やアルミニウムなど)を、絶縁体(ビニルやゴムなど)で覆ったものです。

電気信号や電力を伝えるための最小単位であり、ワイヤーハーネスを構成する「素材」としての役割ももちます。主に屋内配線や機器内部の配線に使用されるのが一般的です。

単体では強度が低いため、物理的な衝撃が加わる場所や屋外での使用には向きません。

あくまで、保護された環境下で電気を通す役割を担います。

ケーブルとは

ケーブルは、複数の電線を束ね、その外側をさらに強固な被覆(シース)で保護したものです。

電線との最大の違いは「対環境性」にあります。外側のシースが内部の電線を守るため、以下のような過酷な環境でも使用可能です。

【ケーブルが活躍する環境例】
・日光や雨風にさらされる屋外
・油や薬品が飛散する工場内
・人が踏んだり重機が通ったりする床面
・地中や水中などの特殊な場所

上記のような物理的な強度や耐久性が求められる場所では、電線ではなくケーブルが選定されます。

ワイヤーハーネスとは

ワイヤーハーネスは、電線やケーブルを必要な長さに切断し、端末に端子やコネクタを取り付けて結束した「集合部品」です。

単なる「線」ではなく、機器に組み込めばすぐに機能する「製品」の状態になっている点が、電線やケーブルとの決定的な違いです。

人体に例えると、脳(制御部)からの指令を手足(駆動部)に伝える「神経や血管」の役割を果たします。

項目特徴
状態端子加工・結束済みの完成品
目的機器組立の効率化・配線ミス防止
用途自動車、家電、産業機器などの内部配線

複数の電線をユニット化することで、現場での配線作業を簡略化し、接続ミスを防ぐ役割も担っています。

ワイヤーハーネスについては別記事「ワイヤーハーネスとは?構造・用途から製造工程まで専門加工メーカーが解説」でも詳しく解説しています。あわせてご覧下さい。

電線とワイヤーハーネスの製造工程

ワイヤーハーネスの品質は、加工技術だけでなく、その素材となる電線の品質にも大きく左右されます。

素材から製品になるまでの主な流れは以下のとおりです。

  • 電線製造:導体を絶縁体で被覆し、ボビンに巻き取る
  • ハーネス加工:電線を切断し、端子を圧着してコネクタを挿入する

それぞれの工程には、品質を安定させるための高度な技術と設備が必要です。

電線の製造フロー|電線押し出しから巻取まで

電線の製造は、銅などの素線をより合わせた芯線を加工し、絶縁体で覆う工程から始まります。

一般的な製造フローは以下のとおりです。

【電線ができるまでの工程】

工程内容
サプライスタンド導体(芯線)を供給する
プレヒーター導体を予熱し、被覆の密着性を高める
押出機溶かした樹脂(絶縁体)を導体に被覆する
冷却水槽被覆した電線を水で冷却し固める
マーキング既定の文字列を表面に印刷する
スパークテスト高電圧をかけて絶縁不良を検査する
巻取機完成した電線をボビンに巻き取る

この工程で重要なのが、押出機による被覆の均一性と、巻取時の張力管理です。

弊社・東邦電線工業では、φ500などの大型ボビンに巻き取ることで、電線に「巻き癖」がつきにくくなり、後のハーネス加工時の品質向上につながっています。

ワイヤーハーネスの加工フロー|切断から検査まで

製造された電線は、ハーネス加工の工程へと送られ、製品としての形を整えます。

ここでは、全自動両側挿入機などを用いた精密な作業が行われます。

工程内容
切断・ストリップ設計図面の長さに電線を切り、両端の被覆を剥く
端子圧着露出した導体に端子を機械で強力に圧着する
コネクタ挿入端子がついた電線をコネクタハウジングに差し込む
検査導通検査や外観検査を行い、不良品を排除する

東邦電線工業では、全自動両側挿入機を使用することで、寸法のバラつきや圧着ミス、挿入ミス、誤配線といったヒューマンエラーを最小限に抑えられます。

素材である電線の製造から、この加工工程までを一貫して管理することで、高いトレーサビリティと品質保証が実現します。

製造工程の詳しい解説については「ワイヤーハーネスの製造工程を深掘り解説|自動化×品質管理で外注リスクを最小化」の記事をご覧ください。

なぜ少ない?電線製造からハーネス加工まで一貫対応できるメーカー

日本国内にワイヤーハーネスを扱う企業は多数存在しますが、電線の製造から自社で行っているメーカーは少数です。

多くの加工メーカーは、電線メーカーから材料を購入して加工のみを行っているのが実情です。

なぜなら、電線製造には巨大な押出機や冷却設備への投資が必要であり、ULやCSAといった安全規格の認証維持にも多大なコストとノウハウが求められるからです。

そのため、電線製造からハーネス加工までを一貫して対応できるメーカーは、製造業のサプライチェーンにおいて非常に貴重な存在となっています。

電線製造からハーネスまで一貫対応メーカーに依頼するメリット

電線メーカーとハーネス加工メーカーが分かれている場合と比べ、一貫生産には明確な強みがあります。

一貫生産を行なうメーカーに依頼して、調達担当者が得られる主なメリットは以下のとおりです。

  • 納期短縮:材料調達のタイムラグをゼロにする
  • コスト削減:物流費や中間マージンをカットする
  • 品質向上:加工に最適な電線を自社で作る

これらは、プロジェクトの成功率を高める要素となります。詳しく見ていきましょう。

電線の自社製造が「短納期」を実現する

最大のメリットは、納期のスピード感です。

通常、加工メーカーは電線メーカーに材料を発注し、納品を待ってから製造を始めます。しかし、一貫メーカーならその必要がありません。

一般的な加工メーカー電線発注 → 納品待ち(数日~数週) → 加工開始
一貫製造メーカー自社在庫使用または即製造 → 即加工開始

【お客様の声】

「急ぎで通常時15万台/月の2倍の生産数を要求した時でも、快く生産・納品して頂き助かりました。」(某インフラ系メーカー・購買部門T様)東邦製ワイヤ使用

材料の納期待ちが発生しないため、急な仕様変更や増産依頼にも柔軟に対応できます。

「来週までに試作が欲しい」といった緊急の案件でも、スピーディな納品が可能です。

物流コストと中間マージンを削減できる

一貫生産は、見えないコストの削減にも貢献します。

電線を外部から仕入れる場合、そこには商社のマージンや、工場間の輸送コストが含まれています。

自社で電線を作ってそのまま加工すれば、これらの余分な費用はかかりません。

コスト項目一般的なルート一貫生産ルート
材料輸送費発生ゼロ
中間マージン商社経由などで発生ゼロ
管理コスト複数社の管理が必要1社で完結

物流プロセスがシンプルになることで、コストだけでなくCO2排出量の削減にもつながり、環境経営の視点でも有利にはたらきます。

巻き癖のない自社電線が高品質を実現する

品質面でも、自社製電線を使うことには大きな利点があります。

外部から購入する電線は、輸送効率を優先して小さなボビンにきつく巻かれていることが多く、強い「巻き癖」がついている場合があります。

これは加工時の寸法ズレや、機械トラブルの原因になりかねません。

一方、自社製造であれば、弊社・東邦電線工業のように加工機にセットしやすい「φ500」などの大型ボビンに緩やかに巻き取れます。

巻き癖の少ない真っ直ぐな電線を使用することで、全自動機の加工精度が最大限に発揮され、不良品の少ない高品質なワイヤーハーネスが完成します

電線とハーネスに関するよくある質問(FAQ)

最後に、電線とワイヤーについてよく寄せられる質問にお答えします。

ワイヤーハーネスの製造は難しい?

ワイヤーハーネスの製造は、一見単純そうに見えて、実は高度な技術が必要です。

電線の被覆を傷つけずに剥く精度や、端子を適切な力で圧着する管理能力が求められます。これらが不十分だと、接触不良や断線といった重大なトラブルにつながりかねません。

【製造難易度を高める要素】
・多種多様な電線と端子の組み合わせ
・ミクロン単位での圧着高さ管理
・複雑な分岐や結束の図面読解

そのため、品質を安定させるには、専用の自動機と熟練した検査体制をもつ専門メーカーに依頼するのが確実です。

ハーネス加工だけの依頼は可能ですか?

ハーネス加工のみの依頼も可能です。

ただし、その場合は支給材(お客様が用意した電線)を使うか、メーカーが購入した電線を使うかになります。

依頼パターン特徴注意点
電線支給自社の在庫を使える輸送コストや管理の手間がかかる
電線購入お任せで手配できる電線の納期待ちが発生する

電線製造とハーネス加工をセットで依頼するほうが、材料手配の手間や待ち時間を気にする必要がなく、さらにコストも抑えやすくなります。

電線の種類指定はどこまでできますか?

基本的には、メーカーが取り扱っている範囲内であれば自由に指定できます。

一般的なビニル電線(IV線)から、耐熱性や耐油性に優れた特殊電線まで、用途に合わせて選定可能です。

もし仕様が決まっていない場合でも「油がかかる場所で使いたい」「激しく動く部分に通したい」といった条件を伝えれば、プロの視点で最適な電線を提案してもらえます。

短納期・高品質なハーネス調達はメーカー選びがポイント

電線とワイヤーハーネスは、切っても切り離せない関係にあります。

電線の品質がハーネスの品質を決め、電線の調達スピードがプロジェクトの進捗を左右するといっても過言ではありません。

もし、現在の調達先で「納期がかかりすぎる」「品質が安定しない」といった課題を感じているなら、電線製造から対応できるメーカーへの切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。

弊社・東邦電線工業は、電線製造からハーネス加工までを国内自社工場で一貫対応できる数少ない専門メーカーです

材料の在庫切れによる納期の遅れをなくし、お客様の仕様に合わせた最適な製品をスピーディにお届けします。

試作1本から量産まで、まずはお気軽にお見積もり・ご相談ください。

東邦電線工業株式会社の強み
・神奈川県横須賀市の自社工場による国内製造
・創業以来60年以上の実績と技術力
・一貫製造による柔軟な仕様対応
・自動化による安定品質と短納期実現
・小ロット試作から大量生産まで対応可能
この記事の特別監修者

名前

八木橋紀尚

管理部営業課長
当社設立以来60年のノウハウと実績をもとに、お客様からのお問い合わせやご依頼等、実務での経験も含め、ワイヤーハーネスの基本、気になる事を記事にしていきたいと思います。
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