ワイヤーハーネスとは

ワイヤーハーネスとは?構造・用途から製造工程まで専門加工メーカーが解説

ワイヤーハーネスとは、自動車や産業用ロボット、医療機器など、現代社会を支えるあらゆる電子機器の内部で、電力や電気信号を正確に伝達する中核を担う配線部品です。いわば「神経・血管」ともいえる重要部品です。

私たち東邦電線工業は、1961年の創業以来、シンプルな構造のワイヤーハーネス加工を得意とし、高品質・短納期で数多くのお客様のニーズに応えてきました。

本記事では「ワイヤーハーネスとは何か」について、専門メーカーとしての経験をもとに網羅的に解説します。

  • ワイヤーハーネスの定義や規格
  • 類似部品(電線、ケーブル)との違い
  • 具体的な用途と求められる特性
  • 製造工程と品質を左右するポイント
  • ワイヤーハーネスの将来性や技術動向

さらに、上記の情報に加え、弊社の経験と知見に基づき、品質・納期・コストに優れたサプライヤー選定のポイントを解説します。

本記事をお読みいただくことで、ワイヤーハーネスに関する理解が深まり、製品の設計・開発・注文に役立つ具体的なヒントが得られるでしょう。

ワイヤーハーネスとは?定義や呼称・関連規格など紹介

ワイヤーハーネス

はじめに、ワイヤーハーネスの基本を確認します。

  • ワイヤーハーネスの定義
  • 呼称の多様性
  • 関連する主要規格
  • ワイヤーハーネスの構成部品

順番に見ていきましょう。

ワイヤーハーネスの定義

ワイヤーハーネスとは、電線の端末に端子を取り付けてコネクタに接続した、配線用のアセンブリです。

あらかじめ特定の機器・ユニット間の接続を目的として設計されており、製品の組立工程における作業効率の向上と、配線ミス防止に大きく貢献します。

呼称の多様性

業界や用途により以下のようにも呼称されますが、これらは基本的に同義です。

  • ハーネス
  • ケーブルハーネス
  • ケーブルアッセンブリ

関連する主要規格

ワイヤーハーネスおよびその構成部品は、安全性と信頼性を担保するため、使用される国や業界に応じて各種規格への準拠が求められます。

種類代表的な規格例概要
国内規格JIS C 2805(銅線用裸圧着端子の規格)
JIS C 3005(ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法を定めた規格)
日本国内での製品の品質・安全性を保証する基本的な規格
国際規格IEC(国際電気標準会議による規格)・電気・電子技術分野における国際的な標準規格
・各国の規格の基礎となることも多い
地域規格UL(米国安全規格) CSA(カナダ安全規格)北米市場での製品販売に不可欠な安全規格

国内外で適用される規格は異なり、要求される技術要件も多様です。特に海外向けの製品を開発する場合、輸出先の規格への準拠が不可欠です。

サプライヤーが各種規格に精通しているかどうかも、選定の重要なポイントとなります。

その他、業界や研究機関によって定められた規格も存在します。

ワイヤーハーネスの構成部品

ワイヤーハーネスは、電線やケーブルだけでなく、多様な部品で構成されます。主要部品と役割は以下の通りです。

構成部品概要
電線・銅、銅合金、アルミニウムなどの導体に絶縁体を被覆したもの
・用途に応じて耐熱・耐油・耐摩耗・シールド仕様を選択する
端子電線端部に圧着や半田付けで固定し、機器やコネクタと電気的に接続する金属部品
コネクタ(コネクタハウジング)・端子を収め、着脱可能な接続を実現する
・誤接続防止形状や振動対策構造を備える
保護具チューブ、ビニールテープなどで配線を外的要因(摩耗・熱・油など)から保護する
固定具・バンド、テープ、クリップ、クランプ、グロメットなどで筐体(きょうたい)へ安定固定する
・保護具を兼ねる場合もある
中間接続部ジャンクションボックスなどで複数回路をまとめ、必要に応じヒューズやリレーも内蔵する

以上のように、ワイヤーハーネスは多様な部品がそれぞれの役割を精密に果たすことで、電子機器の性能と安全性を支える複合部品なのです。       

電線・ケーブル・ワイヤーハーネスの違いは?

電線とケーブル、ワイヤーハーネスという3つの用語は混同されがちですが、構造と機能において明確な違いがあります。

  • 電線
  • ケーブル
  • ワイヤーハーネス
  • 電線・ケーブル・ワイヤーハーネス一覧まとめ

それぞれ解説します。

電線

複数の電線の束

導体(銅など)を絶縁体で覆った、電気を流すための最も基本的な構成単位。1本ずつの単体の線と理解すると分かりやすいでしょう。

ケーブル

複数のケーブル

複数の電線を束ね、さらにその外側を保護被覆(シース)で覆ったもの。機械的強度、耐摩耗性、耐ノイズ性などを向上させており「保護された電線の束」に相当します。

ワイヤーハーネス

複数のワイヤーハーネス

電線やケーブルを必要な長さに切断し、端末にコネクタや端子を取り付け、結束したもの。特定の機器へ即座に接続できる「組み立て済みの配線ユニット」です。

電線・ケーブル・ワイヤーハーネス一覧まとめ

電気・ケーブル・ワイヤーハーネスの違いを表で表すと、以下のとおりです。

 電線ケーブルワイヤーハーネス
役割電力や信号を伝達電線の保護・強化基板・機器への効率的な接続
構造導体 + 絶縁体複数の電線 + 保護被覆(シース)電線/ケーブル + 端子/コネクタ

東邦電線工業株式会社では、ワイヤーハーネスの素材となる電線から自社で製造しています。

これにより、お客様の細かな仕様に合わせた電線の製造から、ハーネス加工までを迅速に行うことが可能です。

オリジナル製品の製造もお気軽にご相談ください。

ワイヤーハーネスはどんな分野で使用されている?

ワイヤーハーネスは、以下のように、社会を支える多種多様な製品に不可欠な部品として使用されています。

  • 自動車
  • 産業機器・FA(ファクトリーオートメーション)
  • 医療機器
  • 民生機器・社会インフラ
  • 遊技機(パチンコ、パチスロなど)

順番に説明していきます。

自動車

自動車はワイヤーハーネスの主要な用途です。エンジン制御、安全装置、情報通信システムなど、車両全体の機能を連携させるために不可欠です。

近年はEV(電気自動車)化に伴い、高電圧・大電流に対応する製品や、自動運転向けの高速通信用製品の採用も進んでいます。

産業機器・FA(ファクトリーオートメーション)

産業用ロボット、工作機械、制御盤など、工場の自動化設備に広く使用されます。

高い信頼性、耐久性、耐ノイズ性能が求められ、特殊な環境(高温、油、屈曲など)に対応したカスタム仕様も多数存在します。

医療機器

MRI、CTスキャナ、超音波診断装置など、人命に関わる精密機器に使用されます。

極めて高い信頼性と安全性が要求される分野です。

民生機器・社会インフラ

エアコンや冷蔵庫といった家電製品から、ATM、電光掲示板、自動改札機といった公共インフラまで、幅広い分野で製品の安定稼働を支えています

遊技機(パチンコ、パチスロなど)

多数のLED、音響部品、センサーを複雑に制御するため、多岐にわたるハーネスが使用されます。

製品サイクルの速さから、多品種・小ロット・短納期への対応力がサプライヤーに求められる市場です。

ワイヤーハーネスの製造工程や品質管理はどうなっている?

ワイヤーハーネスの製造工程

ワイヤーハーネスの製造は、精密な加工と厳格な検査を伴う複数の工程で構成されます。

実際は製品によって工程が異なる部分もありますが、以下が主な工程です。

工程概要
電線切断・ストリップ設計仕様に基づき、電線を指定の長さに切断し、端部の絶縁被覆を剥離します
端子圧着・導体部分に端子を専用アプリケーターで圧着します
・圧着後には引張試験や外観検査で品質を確認します
コネクタ挿入端子付き電線を、コネクタハウジング内の所定キャビティ(空洞)に挿入します
組立・結束図面や治具に従って複数の電線を束ね、結束バンド・テープ・チューブなどで固定します
検査・完成品はハーネスチェッカーを用いて、導通、瞬断、絶縁、耐圧などを全数検査します
・不良があれば即座に修正・再検査を行い、確実に合格したものだけを出荷します

ワイヤーハーネスは柔軟物で立体的な形状を持つため、完全自動化は困難とされています。

だからこそ、各工程での精密な作業と、最終工程での厳格な検査が品質の生命線となります。

東邦電線工業では、特に精度が求められる端子圧着やコネクタ挿入工程に最新の全自動機を導入する一方、熟練作業者の目視検査や技能も重視

機械の精度と人の技術を融合させることで、高品質な製品の安定供給と短納期を実現しています。

ワイヤーハーネスの製造工程については「ワイヤーハーネスの製造工程を深掘り解説|自動化×品質管理で外注リスクを最小化」の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

ワイヤーハーネスの将来性は?技術動向と市場の変化から考察

ワイヤーハーネスの将来性について「EV(電気自動車)化や無線化でワイヤーハーネスは不要になる」という見方が一部でありますが、これは短絡的な見方と言えるでしょう。

ワイヤーハーネスの需要は今後も拡大し、より高機能・高付加価値な製品が求められるようになります

たとえば、自動車分野では、EVやHEV(ハイブリッド自動車)の普及に伴い、高電圧・大電流配線や、ADAS(先進運転支援システム)に必要な多数のセンサー・カメラを結ぶ高速通信配線の需要が拡大しています。

無線化の試みは進んでいますが、安全・電力系統は引き続き有線接続が主流です。

さらに、軽量化や配線ルートの簡素化も進み、高付加価値化が市場成長を後押ししています。

また、自動車以外でも、産業機器、医療機器、家電、社会インフラなど幅広い分野で、ワイヤーハーネスのさらなる耐環境性や高信頼性が求められています。

ワイヤーハーネスは形を変えながら、社会の電動化・高機能化を支える重要な役割を担い続けるでしょう。

東邦電線工業の強みは?短納期・高品質・小ロットへの対応力

ワイヤーハーネスの会社 東宝企業株式会社

前述した市場の変化、つまり製品の高度化・多品種化という時流は、私たち東邦電線工業のような、柔軟な生産体制を持つ企業にとっての強みが最大限に発揮される領域です。

  • 電線製造からの一貫生産体制による短納期
  • 自動化・機械化による品質の安定化
  • 試作や開発用に最適!標準ミニハーネス®で1本から迅速対応

順番に見ていきましょう。

① 電線製造からの一貫生産体制による短納期

弊社の最大の特徴は、原材料である電線を自社で製造している点です。

これにより、外部からの電線調達リードタイムが不要となり、納期短縮を実現しています。

材料の在庫次第では即日対応も可能です。

急な仕様変更や特急案件にも、他社にはないスピード感で対応します。

② 自動化・機械化による品質の安定化

弊社では、全自動挿入・圧着・半田の各種機器を多数導入し、人によるばらつきを徹底排除した品質管理体制を構築

さらに、AIによる画像診断検査を導入することで、人間の目視では捉えづらい微細不良も高精度に検出し、歩留まり改善や在庫・コストの最適化にも貢献しています。

③ 試作や開発用に最適!標準ミニハーネス®で1本から迅速対応

開発・評価段階で「1本だけ欲しい」といったニーズに対応するため、弊社では標準化された「ミニハーネス®」を用意しています。

仕様設計の手間なく、原則5営業日以内に納品可能です。

試作・検証をスピーディに開始でき、開発期間の短縮に貢献します。

標準ミニハーネス®にご関心のある方は、弊社ECサイト「配線くん」をご覧ください。「配線くん」にてご希望の組み合わせのミニハーネスを、小ロットからでもご注文が可能となります。

ワイヤーハーネスの選定・発注でお悩みなら東邦電線工業へ

これまで紹介してきたように、ワイヤーハーネスは製品の配線設計において重要な役割を担い、組立のしやすさや信頼性の向上に貢献する部品です。

近年では、技術の進化により、耐環境性や高密度化など、より高度な性能が求められるようになっています。

これからの時代、サプライヤーを選定する際には、品質管理体制、技術開発力、多品種や短納期への対応力といった点が重要な判断基準となっていくでしょう。

東邦電線工業では、自社製電線による一貫生産体制を強みとし、短納期・高品質・多品種対応を実現できる柔軟な製造体制を整えています。

さらに、環境負荷の低減や責任ある鉱物調達にも取り組むことで、将来を見据えた製品提案も進めています。

ワイヤーハーネスに関してご不明な点やご相談があれば、どうぞお気軽にお問い合わせください。

この記事の特別監修者

名前

八木橋紀尚

管理部営業課長
当社設立以来60年のノウハウと実績をもとに、お客様からのお問い合わせやご依頼等、実務での経験も含め、ワイヤーハーネスの基本、気になる事を記事にしていきたいと思います。
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