ワイヤーハーネス

ワイヤーハーネスの規格とは?国内・国外規格について解説

ワイヤーハーネス規格の選定は、製品の品質や安全性を左右する重要な業務です。

しかし、実際には仕向け地ごとの必須規格が異なっていたり、SQとAWGというような規格表現の違いがあったりします。

そのため、規格の基礎知識を整理して理解しておくことが不可欠です。

本記事では、国内外の主要規格について押さえるべき要点を解説します。規格選定に関する理解を深め、製品開発や発注時の参考にしてください。

国内規格

ワイヤーハーネスを日本国内で設計・製造・販売する場合、まず基準となるのが国内規格です。

特に、製品の安全性や調達・検査の現場で欠かせない規格を紹介します。

JIS規格(日本産業規格)

JIS規格は、日本の産業標準化法(Japanese Industrial Standards)に基づいて定められた国家規格です。電線や端子などハーネス部品の品質を統一し、安全性を確保する目的があります。

ワイヤーハーネスでは、電線の太さを表すSQ(スケア)導体断面積㎟(平方ミリメートル)や、端子の形状・試験方法などが定められています。

【代表的な規格】

  • JIS C 3306 … 300V以下のビニルコード
  • JIS C 3307 … 600V以下のIV電線
  • JIS C 2805 … 圧着端子の寸法や試験方法

JISに従うことで、国内市場で安心して流通・使用できる製品が保証されます。

電気用品安全法(PSE法)

電気用品安全法(PSE法)は、電気用品による火災や感電事故を防ぐために制定され、2001年(平成13年)から施行されています。

PSE法に基づき、電気用品は「特定電気用品」と「特定以外の電気用品」に分類されます。

例えば、ビニルキャブタイヤコードやゴム絶縁電線など一部の電線・コードは「特定電気用品」に指定され、PSEマークの表示が義務付けられています。

ワイヤーハーネスに使用される電線も、このPSEの対象となる場合があり、PSE適合品を使わなければ日本市場で販売できません

海外規格(ULやCE)を取得していても、PSE適合がなければ代用できない点に注意が必要です。

海外規格

海外市場へ製品を出荷する際には、現地で定められた国際規格への対応が不可欠です。

仕向け地ごとに必須となる規格を理解しておくことで、輸出後のトラブルや認証不足による販売停止を防げます。

以下で、代表的な規格を紹介します。

UL規格(アメリカ保険業者安全試験所規格)

UL規格は、アメリカで製品を販売する際に事実上必須となる安全規格であり、ワイヤーハーネスに使う電線やコネクタもUL認証品を使用する必要があります。

UL電線は「AWG(American Wire Gauge)」という規格で太さを表し、数値が小さいほど太く、大きいほど細くなるのが特徴です。

一方、日本では「SQ(スケア、mm²)」が用いられるため、両者の換算を理解しておかないと設計や発注で誤りが生じる可能性があります。

そこで、実務でよく使われるAWGとSQの対応を以下の表にまとめます。

ただし、あくまで近似値であり、最終的には必ずメーカー仕様書で確認してください。

AWG導体断面積 (mm²)対応するJIS表記 (SQ)
300.05070.05 SQ
280.08040.08 SQ
260.1280.12 SQ
240.2050.2 SQ
220.3240.3 SQ
200.5190.5 SQ
180.8230.75 SQ
161.311.25 SQ
142.082 SQ
123.313.5 SQ
105.265.5 SQ

なお、東邦電線工業は、ワイヤーハーネス加工工場としてULの監査を受け、UL認証を取得済みです。

電線単体でもUL認証を受けており、部材レベルでも信頼性が確保されています。

CSA規格(カナダ規格協会の認証規格)

CSA(Canadian Standards Association)規格は、カナダ国内で販売される電気・電子製品の安全性基準として使われます。

適用基準に則って試験され、認証された製品にCSA認証マークが付与されます。

ULがアメリカ向けの規格であるのに対し、CSAはカナダ向けの規格です。

ただし両者には相互承認制度があり、ULでCSA規格に適合した試験を受けた製品には「c-UL」マークが付与され、カナダ市場でも使用できます。

東邦電線工業ではCSA規格の登録番号も取得しており、北米市場向けの製品にも対応可能です。

IEC規格(国際電気標準会議

IEC規格は、国際電気標準会議(IEC)が制定する電気・電子分野の国際的な標準規格です。

日本のJIS規格もIEC規格との整合化が進められており、JIS規格の中にはIEC規格をベースに策定されているものもあります。

IECが制定した規格には固有の番号が付与されており、60000以降の整数で現わされています。

<例>

規格番号企画内容
IEC60228ケーブル内の導体に関する規格
IEC60352はんだなし圧着接続に関する規格
IEC60811絶縁体・被膜材料の試験方法に関する規格

電気・電子部品/製品においてはIEC規格に基づく試験で、安全性や耐久性等を確認することはとても重要です。

IEC規格は安全な設計・適切な材料選定・耐久試験基準を明確にし、設計から製造、製品寿命までの品質を支える技術基準です。

参考:一般財団法人 日本規格協会 IEC活動推進会議 

ワイヤーハーネス規格のご相談はお気軽に東邦電線工業へ

ワイヤーハーネスには、国内規格から海外規格まで多くの基準が存在し、それらを正しく理解した設計・対応が求められます。

東邦電線工業では、幅広い規格に対応し、用途に合わせたワイヤーハーネス製作が可能です。

使用環境や納品国、求められる条件に合わせた最適な仕様提案から製造まで、一貫してサポートいたします。

「必要な規格が分からない」「海外向け仕様が不安」といった場合でも、どうぞお気軽にご相談ください。

用途に合わせた最適なワイヤーハーネスをご提案いたします。

この記事の特別監修者

名前

八木橋紀尚

管理部営業課長
当社設立以来60年のノウハウと実績をもとに、お客様からのお問い合わせやご依頼等、実務での経験も含め、ワイヤーハーネスの基本、気になる事を記事にしていきたいと思います。
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